児童館フォーラム
当財団では平成28年度より、「児童館フォーラム」を開催しています。
児童館職員が中心となって今後の子どもを取り巻く地域環境を展望しつつ、児童館の基本に立ちかえり、遊びの意味や児童館の今日的役割について、所属や地域を越えて共に学び・考える場としています。
仙台市内のみならず、県内外に広く参加を呼びかけて、より良い児童館運営を目指し、児童館職員による主体的な自己研鑽の機会としています。
第6回 ひと☆まち 児童館フォーラム in 仙台
~子どもの豊かさを育む児童文化~
開催日時 : 令和5年2月26日(日)13:00~17:00
開催場所 : 仙台市戦災復興記念館
協 力 : 一般財団法人 児童健全育成推進財団
後 援 : 全国児童館連絡協議会,全国児童厚生員研究協議会
企画協力 : (特非)みやぎ・せんだい子どもの丘
開催内容
【特別講演】 13:00-14:30 |
児童文化とは「声」である ~仙台児童文化史を振り返りながら~ 武蔵野大学 名誉教授 宮川健郎 ※YouTubeライブ配信予定 |
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【分科会】 14:45-16:15 |
第1分科会 行きつ戻りつ絵本作り 絵本作家 とよたかずひこ |
第2分科会 早苗会における児童文化財の紹介 早苗会(宮城県立保育専門学院同窓会) |
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第3分科会 地域の子どもたちと児童文化~旧宮城県中央児童館の活動から~ (特非)みやぎ・せんだい子どもの丘 副理事長 新田新一郎 |
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第4分科会 アニメーションでコミュニケーション 白百合女子大学児童文化学科 講師 やたみほ |
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第5分科会 おてんとさんの輝き 天江富弥とスズキヘキ 仙台文学館 学芸員 庄司潤子 |
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第6分科会 伝承遊びと児童文化財 (特非)日本子どもと伝承遊び学会 副会長 安藤正樹 |
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【分科会報告】 16:25-17:00 |
※YouTubeライブ配信予定 |
第5回 ひと☆まち 児童館フォーラム in 仙台
~いまこそ児童館・いまだから児童館~
第4回 ひと☆まち 児童館フォーラム in 仙台
~遊びが子どもをかえる・子どもが遊びをかえる~
開催日時 : 令和2年2月23日(日)10:00~17:00
開催場所 : 仙台市戦災復興記念館
協 力 : 一般財団法人 児童健全育成推進財団
第3回 ひと☆まち 児童館フォーラム in 仙台
~「改正児童館ガイドライン」を学ぶ・考える・実践する~
開催日時 : 平成31年2月24日(日)10:00~17:00
開催場所 : 仙台市戦災復興記念館
協 力 : 一般財団法人 児童健全育成推進財団
特別講演「児童館ガイドラインの改正について」
厚生労働省子ども家庭局子育て支援課 児童環境づくり専門官 依田秀任 氏
※特別講演は、児童健全育成推進財団「改正児童館ガイドライン普及キャンペーン」との連携開催により、改正児童館ガイドライン説明会(北海道・東北ブロック)として実施しました。
【参加者の感想】
- 児童館ガイドラインの改正ポイントが具体的に説明していただいて、大変良かったです。
- 改正のポイントにある背景を理解しながら、業務にあたっていきたいです。新しいガイドラインが分かり易い言葉で、現場に沿った内容で改正され作られたのだと実感できた。
- 日常流れていく業務の根幹がどこにあるのか、それをしっかり持って日々を過ごすことが大事だと感じた。
- 改正児童館ガイドラインを読み解き理解することによって、今まで以上に、更に子どもが主体的に活動を行い、安心できる居場所としての児童館の役割を更に実感することができました。拠点性、多機能性、地域性の3つの柱を常に意識しながら、日々の子どもたちとの関わりを有意義にしていきたいと思いました。
- ガイドラインの「捉え方」を教えていただいた。今までは国が掲げる理想だと思っていたが、それが間違っていたことを知り、今後はしっかりとガイドラインに対して向き合えて、より良い支援ができると感じました。
- 自分で一読してから参加させていただきましたが、ガイドラインのどこがどのように変わり、何が追加され、何を目指していくのか…など、ぼんやりしかわからなかったものが、講演を聴くことではっきりと明確化され、具体性をもって理解することができました。
- 現場が積み上げてきたことを大切にしていただいている事、わかりました。
- 「ガイドライン」が無味乾燥な文字の羅列ではなく、血の通ったものであることが感じられました。
第1分科会「子どもをまん中に~学校と家庭と児童館と~」
演劇:仙台シアターラボ
企画運営委員:
・桜ケ丘マイスクール児童館 太宰明子(児童厚生一級指導員)
・八乙女児童館 庄子珠美(児童厚生一級指導員)
・北中山児童センター 数野祐子(児童厚生二級指導員)
【分科会報告】
改正児童館ガイドライン第8章に「家庭・学校・地域との連携」があります。
この章では児童館が家庭・学校・地域及び関係機関等と連携する際の留意事項を記述しています。第1分科会では、観て、考え、分かち合う3部構成で連携について深めていきました。
(1)仙台シアターラボによる「児童館あるある劇場」事例鑑賞
【事例A】 「学校と児童館」
高学年自由来館児のトラブルにまつわる学校と児童館とのやりとり。
児童クラブ1年生を叩いてしまった自由来館小学5年男児の話。
【事例B】 「学校・家庭・児童館」
児童クラブ員同士によるいじめに関する三者のやりとり。
あだ名で呼ばれるのが嫌で児童館と学校へ行きたくない小学3年女児の話。
【事例C】 「家庭・児童館」
児童クラブをやめたい子どもと受け止められない保護者と、児童館とのやりとり。
友達と遊びたいために児童クラブを勝手に休んでしまう小学3年男児の話。
(2)ペア・グループでの討議
各場面のその後、児童館事務室で担任と児童館職員、母親または子どもを交えて実際に会う場面を想定し、それぞれの気持ちをそれぞれの立場になって、どんな会話をするのかを考える時間でした。初めに同じ立場同士で、続いて同じ事例のグループ内で話し合いました。普段おかれている立場と違う役割になりきって考えることは難しいと想定していましたが、今回はお芝居を実際に観たことで感情移入することができ、活発な意見交換の場となりました。
(3)全体共有
事例のグループごとに話し合い、それぞれの立場がどんな思いでいるのか、本音はどんなものか、率直な意見が出ました。連携についての課題が浮かび上がりました。続いて仙台シアターラボの3人から感想をいただきました。「途中で終わる劇で演じ手としてはモヤモヤとした気持ちだったが、皆さんの発表を聞いて、やっとオチがついた」という声や、「3つの事例に共通するのはコミュニケーションが不足していることではないか?」と疑問を投げかけられる一幕もありました。
本分科会では学校、家庭、児童館のそれぞれの役割はどうあるべきか、それぞれの場所で児童の権利や自由はどのようの保障されているのか、すべきなのかを考える場となりました。改正児童館ガイドラインに触れながら、関係機関と連携していくために必要な、これからの児童館のあり方や課題について考えるというねらいが、十分に達成できた分科会となりました。
【参加者の感想】
- お芝居を見てから、それぞれの役割を(普段自分と役職が違う)演じることによって、相手の立場になり、それぞれの難しさを理解する姿勢の大切さを学んだ。子どものことを大切に思っているのは同じなので、連携し、子どもにとってより良い環境を作りたいと思った。
- 3つの事例を役者の方々が演じてくださったことで、文字だけでなく、感情があることから事例もいつもの業務のときのような…現場にいるように感じられた。自分たちも情報交換の場で悩んでいることを劇にして、分かりやすく考えていきたい。そうすれば子どもの気持ち(親も学校etc.)も想像してあげられそうです。
- たくさんの方の意見、考えが聞けたこと、大変勉強になり、今後に必ず役立つものとなりました。皆さんの子どもを真剣に考えている姿に、とても感動しました。
- とても良かったです。(1)分科会の構成とその内容が効果的(2)参加者の考えも幅広く共感的で素晴らしい。(3)学校、児童館、保護者との連携がさらに改善されていく期待感が持てた。
第2分科会「子どもの権利と理想の児童館」
演劇:仙台シアターラボ
パネリスト:
厚生労働省子ども家庭局子育て支援課 児童環境づくり専門官 依田秀任 氏/一般財団法人児童健全育成推進財団 総務部部長 阿南健太郎 氏/こどもフォーラム 代表 原京子 氏 ※石巻市子どもセンター・スーパーバイザー、愛西永和児童館・アドバイザー/枡江児童館 館長 福谷佳子
企画運営委員:
・枡江児童館 福谷佳子(児童厚生二級指導員)
・木町通児童館 齊藤寿一郎(児童厚生一級特別指導員)
・西多賀児童館 伊藤有紀(児童厚生一級指導員)
【分科会報告】
3名のパネリストによるトークセッションから、子どもの権利を主題に3つのテーマで話を進めていただきました。
1つ目のテーマは「子どもの権利とその実情」について、原さんより現在アドバイザーとして入っている児童館での実践を伺いました。ここでは「ルール」についての話題で『誰の為のルールであるのか』ということから、子どもが主体となって児童館の決まりを作っていく参画の実際を伺いました。子どもに義務ではなく責任を負うことを考えてもらうという言葉も印象的でした。
2つ目のテーマは「子どもの参画についての全国の様子」ということで、阿南さん、依田さんから、児童館の機能やガイドラインは児童館設立の70年前からある理念を再定義したものであるという確認をし、ガイドライン総則にある『子どもにとっての最善の利益』についてフォーカスすると、「児童館で定義される多くの健全育成は大人の思い描くものであり、子どもの権利を大事にしていない大人が多い」という話もありました。
3つ目のテーマは「児童館職員のアドボケイト(権利擁護)活動」について。
アドボカシーとは弱い人の代弁を言います。児童館での職員の支援活動がそのようになされ、子どもの主体性と意見を大事に行う事、日々子どもたちの声に耳を傾けていく事が必要であるということをお伝えいただきました。
最後に理想の児童館とは「(大人に)与えられた理想ではつまらない」「職員は親身で近くにいる善良な大人」「実践を積み上げる」「失敗を恐れない」という意見を各々から励ましのメッセージとして頂戴し閉会いたしました。
【参加者の感想】
- 子どもたちにとっての最善を大人が決めつけるのではなく、子どもの声を聞き、思いを受け止めることが大切だと分かった。また、子どもを主体とした取り組みをしている館があると知り刺激となった。
- 子どもの権利について、話を聞きながら、現実との葛藤に心痛みました。誰のための児童館、誰の為のルールかを改めて館で話し合っていきます。
- 改めて子どもの権利と管理のはざまについて考えされられました。
- 大人のルールを子どもに押し付けていたことを反省。
第3分科会「児童館はなんでも屋?~児童館事業と児童クラブ事業の両立を子育て支援の観点から考える~」
演劇:仙台シアターラボ
企画運営委員:
川平マイスクール児童館 伊藤和江(児童厚生一級指導員)/七郷児童館 今野明美(児童厚生一級特別指導員)/将監児童センター 齋藤俊介(児童厚生二級指導員)
【分科会報告】
児童館事業と児童クラブ事業の両立は、仙台市の児童館職員全体の大きなテーマです。
放課後児童クラブの設備及び運営に関する基準が策定され、児童館ガイドラインも改正されましたが、職員がパンクせず、ガイドラインを「絵に描いた餅」にしないためにはどのような視点が必要なのか、悩む職員も多いと思います。
第3分科会は、主に子育て支援と地域資源の活用に焦点をあて、5名の方の話題提供を受け、参加者同士が意見交換を通して学びや気づきが得られることをねらいに進行しました。
話題提供では「地域全体を児童館と考える新たな視点」「個別性の高い子育て支援への切り替え」「職員のスキルを磨く必要性」「児童館外での子育て支援活動の実践」「学童期の子育て支援の必要性と難しさ」と、多岐に渡る実践例が発表されました。その後のグループワークでは、積極的な意見交換が行われました。市外、県外の参加者も多く、自治体の違いを認識し合うグループや、地域連携の難しさを話しあうグループもありました。ヒントを拾いに来た、という参加者もいました。最後にグループごとに「児童館はなんでも屋か否か」について話し合ったことを発表しました。
- 気持ち一つで良くも悪くも変わる。児童館は「なんでもやってあげるよ!」のなんでも屋さん。
- 地域に出ていき顔をつなぐ。何のために何でもやるの?それは子どもの笑顔のため。
- 児童館だけ、児童クラブだけで行おうとすると壁にぶつかる。いろいろなところとつながる。児童館は「広げていく場所」。なんでも屋か否かと問われれば「はい!なんでも屋です!」。
- 児童館は総合商社。プライドを持って総合商社の一部としてできることからコツコツと。支援が必要な子どもだけでなく平均的な子どもを見落とさない。なんでも屋ではなく「なんでもできる屋」。
- いろいろなことが社会から要求されるが、やれることをやっていく。なんでも屋、ではなく「多様性」と言いたい。
- なんでも屋、というより「よろず屋さん」。間口を広げて垣根を下げる。職員は御用聞きになったつもりで。
- 参加者それぞれが自分の思いを話し、意見を聴き、自己をふりかえり考える時間を持ちました。伊藤館長からのまとめにあった「結論を出さない分科会。気づき、学んだことを明日に活かしてほしい。職場に帰って討議を続けてほしい」の言葉通り、そしてフォーラムのテーマ「改正児童館ガイドラインを学ぶ・考える・実践する」を体現できた分科会になりました。
【参加者の感想】
- 児童館はなんでも屋?よろず屋であり、なんでもできます屋であり、幼児~中高生までの憩いの場としての存在感を、もっともっと広げていこうと思いました。
- 地域によって全然違うと感じた。0歳~18歳未満という枠の中で、できることは何なのか。今一度考えるきっかけになった。私たちは子どもたちのために何でもできる屋なのだ!
第4分科会「運動遊びと健全育成~運動遊びとは?~」
演劇:仙台シアターラボ
講師:仙台大学体育学部子ども運動教育学科 教授 原田健次 氏
企画運営委員:
・遠見塚児童館 佐々木由有紀(児童厚生一級特別指導員)
・子ども育成課育成支援係 前田高幸(児童厚生二級指導員)
【分科会報告】
前半は遊びの実践と企画委員から話題提供を、後半は原田先生より「こころとからだを育む仲間づくり遊び」と題して、幼児期~学童期前半にかけての運動遊びの大切さについてご講話いただきました。
運動遊びの実践ではお手玉使った遊びや、じゃんけんをきっかけにどんどん遊びを加えていく遊びなどを行いました。原田先生より、遊びの中での交代の大切さや公平性、遊びの共有についてのお話もあり、遊びを楽しみながら新しい視点を学ぶことができました。
企画委員からは「健全育成」「健康と情操」「運動遊び」をキーワードに、健全育成の5つの目標と運動遊びワーキンググループで作成した運動遊びの定義、それらと児童館ガイドラインの関連について、それぞれを確認しながら、児童館での遊びのほとんどが「運動遊び」であることを参加者のみなさんと共有しました。
原田先生からは、自分の気持ちのコントロールや人の気持ちがわかるという「非認知的能力(社会情動スキル)」の重要性や子どもを取り巻く問題とその背景についてを中心にお話しいただきました。「早寝・早起き・朝ごはん」に加えて「午後の運動」が生活リズムを整える上で大切であり、児童館で放課後に思い切り遊ぶことが、睡眠リズムを整えることにも繋がることを教えていただきました。参加者は自館の子ども達の姿を思い浮かべ、うなずきながら先生のお話に聞き入っていました。また、この時期にしか獲得できない運動動作を獲得するために、全身調整力の要素が含まれる運動遊びを行うことの重要性や、運動遊びを通して人間関係や社会性を育むといった、児童館ガイドラインにも記載されている内容についてもわかりやすく教えていただきました。ルールのある遊びを実践する時には「子どもの納得」が大切であること、そして遊びの中で子どもたちが「自己抑制」や「自律」といったスキルを身に付けていくことも教えていただき、児童館での遊びの大切さを再認識することができました。
【参加者の感想】
- とにかく楽しい運動遊びでした。自己肯定感を育むのも運動から。今日の遊びを児童館に戻り、実践したいと思います。ありがとうございました。
- 児童クラブで、児童センターの行事の時等に取り入れてみたいと思います。先生の楽しい語り口と優しいお人柄で、とても楽しい時間でした。ありがとうございました。
- 遊びもとても楽しかったです。先生のお話で、子どもが遊びの中で思いやりの心を育てる大切さが分かりました。
- 実践と講義でとてもためになりました。実践は「楽しい」。この感想を子どもたちにも…と改めて思いました。講義はとても分かりやすく、現代の子どもの様子、関わりの課題など…どんな力を育てたら良いか、勉強になりました。ありがとうございました。
第2回 ひと☆まち 児童館フォーラム in 仙台~遊びのプロフェッショナル・児童館の専門性を考える~
開催日時:平成30年2月25日(日)10:00~17:00
開催場所:仙台市戦災復興記念館
協 力:一般財団法人 児童健全育成推進財団
特別講演「遊びのプロフェッショナル・児童館の専門性を考える」
演劇:仙台シアターラボ
一般財団法人 児童健全育成推進財団 理事長 鈴木 一光 氏
【参加者の感想】
- 児童館や児童厚生員が子どもにとってとても大事な存在であると思った。
- 児童厚生員として、まだ遊びのプロフェッショナルにはなれていないと思う。もう一度、自分の子どもたちへの関わり方を改まっていきたいと思っている。
- 本当にためになる講演だった。今の子ども、健全育成について、理解が深まる内容で、分かりやすい例えと楽しいトークで勉強になった。
- 遊びのプロとアマの違いと問われて、まだまだプロには程遠い自分であることを感じました。どちらかというと見守り重視になってきている状況になっているような気がして、今回参加させて頂きました。遊びの重要性について再確認できた講演でした。
- 児童の健全育成には遊びが不可欠、遊びを通して人格発達がなされることがよく分かりました。
- 一時間半の講演があっという間に感じる程、講話に引き込まれました。健全育成事業に従事する中で、再確認、再認識すること、新たに習得することが出来ました。職員の高い人格を求めながら従事していくべき、との話もあった。学童期の子ども達への、我々の課題も見えた。
- 遊びのプロとして、子どもの人格形成、生きる力をつけるために、児童館は大切な役割を担っているのだと分かりました。貧困層の子どもにこそ、厚生員の存在が大きいのだと改めて感じましたので、自分が出来ることについて、今後精一杯考えていきたいと思いました。
- 遊びを通し、遊びの力を借りての人格発達の支援について学べました。
- あっという間の時間でした。"遊びのプロフェッショナル"というテーマでありましたが、子ども・保護者・地域・日本・児童館を取り巻く、現状や時代の変遷について、深く感じることが出来る内容でした。まだまだ聞き続けていたい、心地良い講演でした。
- 児童館職員はプロとして結果を出さねばならない、とのメッセージを受け取りました。今日的な児童の問題と日々戦っておりますが、居心地の良い拠点作りに努力します。
第1分科会「遊びのプロとして~職員のための運動遊びワークショップ~」
演劇:仙台シアターラボ
講師:千葉工業大学創造工学部教育センター 准教授 引原 有輝 氏
企画運営委員:
・館児童センター 渡邊 由貴(児童厚生一級特別指導員)
・加茂児童センター 前田 高幸(児童厚生二級指導員)
・黒松児童館 中野 あけ美(児童厚生二級指導員)
【分科会報告】
小学生の放課後の時間が短くなった上、児童クラブの登録者数は年々増え続けています。
狭い空間で大人数が安全に遊ぼうとすると、運動遊びが登場する機会は少なくなり、子どもたちの健全な心身の発達を危惧するところです。
分科会の前半では、「狭い場所、学年問わず取り組める運動遊び」として、体操や、じゃんけんを中心とした遊びを体験しました。後半では、『運動遊びが子どもを成長させる!~なぜスポーツではなく運動遊びなのか?~』と題し、千葉工業大学 引原 有輝氏にご講義いただきました。スポーツと運動遊びの違い、幼児期・児童期の遊びの重要性、なぜ運動遊びが必要なのか、をお話しいただきました。
最後には、黒松児童館が運動遊び実践事例として、遊びを工夫した結果、子どもたちが積極的に遊ぶようになったことや、職員の意識が変わったこと、利用者増につながったことを紹介しました。
引原氏から「子どもと一緒に遊んでくれる、運動があまり得意ではない職員こそが、運動遊びのプロフェッショナルです」との言葉をいただき、会場全体が勇気づけられたところで分科会は終了しました。
【参加者の感想】
- 運動遊びがいかに重要か、理論とデータをもとに示してもらえたのがよかった。実践報告も遊びによる変化が子どもだけでなく、職員の意識改革にもつながった点がよかった。
- 大人の意識を変えることで、子どもの成長、遊びへの意識の変化など、自分から考えを改めていこうと思った。
- 運動が苦手な職員にこそ、運動遊びを推進する資格があり、運動遊びにはスポーツとはまた異なった可能性を持っていることを知ることができました。
- 遊びの大切さを痛感しました。スポーツではない、遊びとして運動の大切さを知りました。とてもよかったです。こちらももっと遊びたい、もっと聞きたいと思いました。児童厚生員の役割を痛感しました。
- 遊びがいかに大切かということを学んだ。子どもの無限の可能性を引き出すため、序列をつけず(自発的、自主的に)遊びをいかにさせるか、私自身が考えながら実践していきたいと思った。
第2分科会「要支援児の自立支援~“自分を好きになる”ための支援とは~」
演劇:仙台シアターラボ
講師:認定NPO法人 アフタースクールぱるけ 代表理事 谷津 尚美 氏
企画運営委員:
・田子児童館 宍戸 泰子(児童厚生二級指導員)
・上野山児童館 新沼 美佐子(児童厚生一級指導員)
・鶴ケ谷西児童館 今野 知美(児童厚生二級指導員)
・住吉台児童センター 狩野 裕子(児童厚生二級指導員)
【分科会報告】
フォーラム全体会議の際、頻繁に話題になったのが「児童の権利」「自立支援」です。
様々な自立支援の定義がありますが、「その子が“なりたい自分になる”ための支援こそが自立支援だ」という意見が出され、それを踏まえ援助にとどまらない一歩先の要支援児への自立支援を考えていきたいと企画しました。
分科会では『支援の仕方』『自立とは』『支援者の心構え』の3つのテーマでパネルディスカッションを行いました。
『支援の仕方』では、要支援児対応ハンドブックの事例等を用いて、氷山モデルの考え方をもとに、各参加者が支援の仕方を考えました。場当たり的支援ではなく、“成人期の穏やかな姿を見据えて、今できることは何か”を考えて支援することを学びました。
『自立とは』では、参加者のペアワーク、付箋法、ポスター事例発表等から自立とは何かを考えました。自己肯定感や自己効力感を抱く(自分を好きになる)ことと同様、困ったときに助けを求める能力も大切で、児童館はそれらを養っていくことができる場であることを改めて確認しました。
『支援者の心構え』では、支援者と子どもの相性が合わないこともあること、それを支援者が自己覚知し自分をコントロールして支援にあたること、支援者ひとりに責任を負わせずチームで支援にあたることを学びました。
講師から「児童館は要支援児が住んでいる地域にずっと在り、長きに渡って要支援児のよき理解者であり、よりどころになる貴重な場である」との話をいただき、児童館での支援を考える良い機会となりました。
【参加者の感想】
- 支援児へのその場の対応だけでなく、今後、将来を考えての対応をすることの大切さを知ることができてよかった。
- “自立”について、助けを求められるようになることも大事、という視点が今までの自分にはなかったところでした。その意識を持ちながら、明日からまた子ども達と向き合っていきたいと思います。
- 「自立」とは、その子にあった支援を受けることで生活のしや生きやすさにつながること。また、自立の方向性を共に考えていくこと。その視点をもつことの大切さを学ぶことができた。支援する側の心構え、チームワークの大切さ、身に染みた。
- 「他の人の力を借りていいんだ」「苦手なこともあることを含めて自分を認める」「手の掛からない子にも目と手を掛けてあげて」という谷津さんの言葉が参考になりました。
第3分科会「高学年児童の自立支援~児童クラブの高学年受入れに向けて~」
演劇:仙台シアターラボ
企画運営委員:
・川平マイスクール児童館 今野 明美(児童厚生一級特別指導員)
・吉成児童館 遠藤 佐智子
・八乙女児童館 庄子 珠美(児童厚生一級指導員)
【分科会報告】
第3分科会では、児童クラブの高学年受け入れに向けて、『高学年児童の自立』と『私たちができる自立支援』について考えてみました。
これから私たちがどのように支援をしていけるのかを、考えるきっかけの会となることを願って進めました。
始めに4人の方のポスター発表を伺い、その中で印象に残ったことは、自立を阻害しているものはいろいろな要因がありますが、それを取り除くことが自立支援に繋がるという考え方と、児童クラブは子どもたちが過ごす場所の一つですが、大切なのは主体性を持って自分の望む場所で過ごし、誰かに頼ったり頼られたりしながら地域の中で人と繋がりながら育っていく、これが健全育成だという考え方もありました。その他、実際に4年生をリーダーに交流活動を実践し、その中で高学年はリーダーシップを身に付け、低学年は自分より上の学年の児童をロールモデルとして捉え、相互に良い影響を与え合っているという報告も聞かれました。また、児童クラブ通信を使い、段階を追って保護者の皆さんに児童の一人帰りについて考えてもらったという具体的な報告も聞くことができました。
ポスターセッションの後、参加者の皆さんに『高学年の自立とは』と『私たちができる自立支援とは』について考えてもらい、思い思いのキーワードを付箋に記入し、シェアリングしました。グループごとの意見交換では、短い時間ではありましたが、いろいろな立場の方が、ご自分の立場で率直な考えを述べる事ができたのではないかと思います。最後にそれぞれの思いを記入し、それを本日の決意表明としました。参加者皆さんの熱い決意が伝わり、高学年受け入れに向かおうとする思いにうれしさを感じることができた会でした。
【参加者の感想】
- 自立と漠然に言っても、人それぞれ考えることは違うのだということが分かりました。環境や家庭、地域など、どの児童それぞれのケースによって自立の支援も違うし、支援の仕方も違うことも分かり、単なる自立ではなく、成長する自立に向けて支援したいと思いました。
- 高学年の自立についての分科会でした。小グループでの発表形式で、自立について、皆さんの色々な意見が聞けてとても良かったです。最初の発表も参考になりました。ありがとうございました。
- 高学年の自立について、児童クラブを卒業することだけが自立ではないこと、参加していた先生方がそれぞれ高学年のことについて悩んでいることがわかった。色々と悩みながら高学年が来たいと思える児童館にしていきたい。
第4分科会「児童館実践事例~地域における児童館の役割~」
演劇:仙台シアターラボ
講師:東京都台東区松が谷児童館 館長 水野 かおり 氏
企画運営委員:
・木町通児童館 齊藤 寿一郎(児童厚生一級特別指導員)
・西多賀児童館 佐々木 由有紀(児童厚生一級指導員)
・将監児童センター 齋藤 俊介(児童厚生二級指導員)
【分科会報告】
「児童館と地域の関係」について実践事例を発表し、そこから見える児童館の役割を確認しました。また発表の合間にトークセッションを行い、成果と課題をクローズアップし、そこから見える児童館職員としての専門性や地域連携における配慮やポイントなどを掘り下げていきました。
発表登壇者は、西多賀児童館 佐々木 由有紀、加茂児童センター 所長 菊地 省三、講師の水野氏の3名です。各発表において、「1 地域の現状」、「2 なぜその連携に至ったか」、「3 児童館だからできたこと」、「4 遊びの役割に関して触れる」ということを共通項目としました。
実際の発表内容は【商店会と児童館イベントの連携】、【復興住宅と遠隔地への支援イベントを多施設連携で行うこと】、【町内会や他児童館、小学校などとの恒久的連携】について発表して頂きました。各児童館の地域の中での立ち位置と地域環境は全く異なっており、地域へのアプローチも連携の進め方も全く異なっていましたが、各登壇者に地域連携の成功例に基づきポイントを伺っていったところ、共通して『地域のキーマンとの関係作り』、『顔と顔をあわせた関係作り』、『地域の特色(セールスポイント)』を大事にしているということがわかりました。
最後の分科会報告会の総評で、特別講演講師の鈴木氏が、「児童館は地域の中にあり、児童館が地域でならねばならない」とおっしゃっていました。地域に認められること、進んで地域に入り込んでいくことが、子どもの遊び場、学び場、生活区域の拡大に繋がる。地域連携の重要性を感じ、多角的に関われる可能性を児童館が強く持ち合わせていることに気づかされた分科会となりました。
【参加者の感想】
- 地域における児童館の役割を、実践例を基に学ぶことが出来た。地域への“発信力”ということも、今後しっかりと事業の柱として考えていくようにしていきたいと改めて感じている。
- 地域とのかかわりの大切さを再確認させてもらいました。顔の見える関係作りから始まる地域とのつながりが、子ども達の豊かな体験や、日々の安全に繋がることを意識していきたいと思いました。
- 大学院の方で、毎スクールと共働で、子どもと地域社会参画(食を通した)ものをさせて頂いているので、評価などにどうすればよいのか、ヒントをいただけました。
- その地域への問題がそれぞれあるが、何が大事かということを考え、各児童館が積極的に働きかけ、行事等を行っているのが素晴らしいと思った。環境は違うが、当館の参考になった。地域と関わることは、児童館・地域双方のプラスになると思った。又、子供の将来にも繋がると思った。
第1回 ひと☆まち 児童館フォーラム in 仙台~子どもの育つ遊びの力・遊びの魅力~
開催日時:平成29年2月26日(日)13:00~17:00
開催場所:仙台市戦災復興記念館
協 力:一般財団法人 児童健全育成推進財団
特別講演「子どもの育つ遊びの力・遊びの魅力」
演劇:仙台シアターラボ
一般財団法人 児童健全育成推進財団 事務局長 依田秀任 氏
【参加者の感想】
- 子どもにとっての遊びの変遷を写真を用いて分かりやすく説明して頂きました。時代は変わっても、変わらないものを大切に残したいと感じました。
- 明日から子ども達と関わっていく上で、何を思い、何を大切にしていけば良いのか、改めて考えることが出来る、良い機会であったと思います。
- 子どもの権利としての遊び、また子どもはなぜ遊ぶのか、そして児童館が子どもに提供するもの、エンドユーザーは子どもだということ、様々な事を学ぶことが出来、依田氏の講話もとても興味深かったです。
- 遊びは子どもが獲得するものである。という言葉がとても印象的でした。地域で遊んでいる子どもたちがその街の未来であるということを心にとめて、私たちも遊びと向き合っていこうと思いました。
- 遊びについて私が考えていた視点とは違う部分での話がとても参考になり、今後の仕事に生かしたいと考えました。本日は講演を受けて良かったです。
- 子どもの遊びの大切さと児童館の役割について学ぶことが出来ました。児童館が子どもに提供するもの、遊び場(Do)、居場所(Be)、"エンドユーザーは子ども"、"友達との遊びの体験が多いほど大人になってからの自尊感情が高い"など、印象に残ることの多い講演でした。
- 毎日の業務に追われがちですが、講話を通して児童館全体を見つめ直すことにより、会場全体が前向きな気持ちになったのが分かりました。財団全体+児童館に関わる人たちが一緒に講演を聞けたのも、貴重な機会だと思いました。
第1分科会「遊びで変わる・遊びで育つ」
演劇:仙台シアターラボ
講師:東京都八王子市立中野児童館 児童館長 井垣利朗 氏
(児童健全育成推進財団認定 児童健全育成指導士)
メンバー:木町通児童館 齊藤寿一郎
(児童健全育成推進財団認定 児童厚生一級特別指導員)
【分科会報告】
「子どもが児童館で遊んでいる姿を見て、遊びによって子どもが変わった、成長したなと思うことはあるか」「子どもが遊びを通して育む力はどんなことか」ひと・まちオリエンテーションブックで確認を行い、一つ目のグループワークで『良質な遊び』の体験をします。
これは職員のプレイワークの力量や経験が少なくても遊びが持つ力によって子どもを育むということです。加えて「考えて遊びを提供しているか」という問いかけをします。二つ目のワークは「子どもの持つ力で遊びが大きく展開していく経験はありますか」という「子どもの力で遊びを押し上げる遊び」の理解です。ペットボトルキャップ30個を使いどんな遊びをするかという検証を行いました。
- 児童館における遊びとは何か
- 子どもにとっての遊びの持つ意味は
- 児童館職員のいる意味は
子どもは遊びを遊び、遊びに遊ばれるが、児童館職員は遊びに遊ばれてはいけない。
遊びの提供は①「知っている」②「想像する」③「やってみる」④「工夫する」⑤「わかる」⑥「色々な状況に応じてできる」(遊びの展開は、すべてのものごとに通ずる)と⑥に到達するまでやってみる。考えてみる。経験年齢が若いうちにその癖をつけておく。何度も「やってみる」この経験が児童厚生員の成長に今、必要なポイントだと感じています。
【参加者の感想】
- 子どもの遊びで地域が変わる・・・そんな児童館にしたいなと感じました。
- 遊びは児童館にとって必要不可欠であるもの。子どもに必要な遊びとは何か?遊びを通して育む力は何か?目的をもって子ども達と遊ぶことの大切さを学ぶことが出来ました。
- 「知っていること」、「わかること」、「できること」、自分がどれだけ知らないこと、知ってはいるけどやったことがないことが多かったか。楽しい雰囲気の中「わかる」「できる」ことの経験の大事さを改めて感じました。
第2分科会「要支援児と遊び」
演劇:仙台シアターラボ
ゲスト:宮城学院女子大学 教授 足立智昭 氏(臨床発達心理士)
ゲスト:仙台市障害者総合支援センター 主幹 只埜弓美 氏(保健師)
ホスト:(公財)仙台ひと・まち交流財団子ども育成課 課長 後藤敬二
【分科会報告】
障害のあるなし、その疑いのあるなしに関わりなく、対応の難しい子どもの遊びを支援するには、個別の計画に沿って児童館全体で取り組むことが大切です。
そのためにケースマネジメントを理解し個別計画を作成し、社会資源を上手に活用することが必要です。このときに専門家の意見も必要となり、スーパーバイザーの巡回を活用することが大切になってきます。二人のゲストからも会場からも、このことについて報告がありました。また、スーパーバイザーの巡回が年1回であり、対象児童数に関わらず1館2時間という制限があることが問題として明らかになりました。
また、当財団でケースマネジメントと個別のディリ―プログラムの作成について研修を開始したことや、児童館をバックアップする仕組みとして定例レビューを開催していることを報告しました。児童館には対象児童に関する多くの情報が集まります。その情報から児童の状況を上手く読み取り支援に結びつけるために、レビューでは情報を整理するためのツールとしてICFシートを参考とした独自シートを活用していることや、シートで支援のポイントを見つけていることを報告しました。
今後の展開として、①各館では、スーパーバイザーの意見も参考に社会資源を十分活用し、個別の支援計画を作成して支援することが望ましく、②各運営団体においては研修やレビューをとおして個々の児童館をバックアップすることが求められること、③児童館においてケースマネジメントを実施する体制づくりへのために、財政的支援を含めた制度の見直し等を行政に要望していくことなどについて、意見が交わされました。
【参加者の感想】
大学2年の者です。要支援児というと障害を持つ子どものケア、というイメージが強かったのですが、ケアの対象は児童1人1人であり、現場の様子を見て臨機応変な対応が必要であるということが分かりました。また、様々な制度を理解するだけではなく、新たな社会資源を作り出す姿勢が重要であると分かりました。
第3分科会「中学生とのかかわり・児童館のできること」
演劇:仙台シアターラボ
ゲスト:仙台市立八軒中学校 校長 石川一博 氏
ホスト:大沢児童館・市民センター 館長 佐藤正道
メンバー:川平マイスクール児童館 今野明美
(児童健全育成推進財団認定 児童厚生一級特別指導員)
【分科会報告】
中学生事業への取り組みについては、各館趣向をこらし挑戦を続けているところではありますが、苦労の割には手ごたえがなく頭を悩ましている現状があります。今回の分科会ではメンバーを含む9名のポスター発表者から、中学生と地域の関係作りを願う様々な実践例を聞くことができました。中学校との関係づくりや行事の持ち方、広報のしかたなど、各館の知恵と工夫が垣間見られ、参加者は何かしらのヒントを掴んだようでした。
今回ホストとして出席いただいた八軒中学校の石川校長先生からは「児童館は地域の窓口になってほしい」との発言がありました。私たちは自館に中学生を呼び込むことにとらわれがちですが、地域のニーズを探りながら様々な角度から中学生事業に切り込んでいく視点に気づかされました。中学生が来館するに際して、単に児童館で「遊べるよ」だけではなく、「手伝って」という中学生に自己有用感を持たせることが大事であるとのご指摘もありました。「児童館のできること」はまだまだあることを確認でき、今後の可能性が感じられる分科会になりました。
中学生の来館が増えれば、新たな悩みが生じる現実があることも共有しました。職員はトラブルに対応する力をつけること、場の提供だけでは終わらせず、中学生と関係を築く努力を続けることなど、次年度のテーマが浮かび上がったところで終了となりました。
【参加者の感想】
とても参考になりました。中学生の来館に向けて、こんなにもたくさん色々なアイディアがあるんだとびっくりしました。自分は何をしていたんだろう、と悔しくなりました。すぐに取り組めることがたくさんあったので、周りの人や施設との良好な関係を結び、助け合うことが大切だと痛感。まずは、こちらから始めの一歩を踏み出したい。知恵と工夫の見せどころ。きっかけにしてほしいというお言葉。そうします!
第4分科会「児童館の遊び・児童クラブの遊び」
演劇:仙台シアターラボ
アドバイザー:一般財団法人 児童健全育成推進財団 事務局長 依田秀任 氏
メンバー:虹の丘児童センター 渡邊由貴
(児童健全育成推進財団認定 児童厚生一級特別指導員)
メンバー:中野栄児童館 菅原広美
(児童健全育成推進財団認定 児童厚生一級指導員)
メンバー:館児童センター 狩野裕子
(児童健全育成推進財団認定 児童厚生二級指導員)
【分科会報告】
私たち児童館職員は、放課後児童クラブ登録児童の肥大化に伴い、放課後児童クラブへの対応に追われがちです。日頃私たちが感じている「児童館に行きたい子どもと児童クラブに入れたい親」・「放課後児童支援員と児童厚生員の狭間で」の2点を話題に上げ、子どもの気持ち、生活と成長の支援について、各館の実践事例を交えながらアドバイザーの依田氏に質問し、アドバイスをいただきました。
放課後児童クラブを利用しない日に限って自由来館として遊びに来る子は、自分の責任で遊ぶことへの高揚感を楽しんでいます。そこでは、子ども同士の世界が広がり、地域の中で子ども同士で遊びたいと思う発達の過程の姿が見られます。その成長を児童館が保護者と地域と一緒にどう見守っていくのかを考えることが大切だというアドバイスをいただきました。
また、依田氏からの「児童館の中に児童クラブがあることのメリットは何か」を考えてみてはどうか、との投げかけに、会場からは「困ったことがあった時はいつでも駆け込める関係を作りやすいこと」「児童クラブを卒業したあと、中高生になって、いつでもふらっと来館できること」「親になり、親子で児童館に回帰するなどのケースがある」などたくさんの意見が出ました。「児童館」と「放課後児童クラブ」を切り離して考えがちですが、放課後児童クラブでの生活を通して、0歳から18歳までの切れ目のない支援ができる児童館としての本来の役割を果たすことができると再認識することができました。
【参加者の感想】
児童館と児童クラブには、自由来館児童と児童クラブ児童があります。その違いよりも、メリットを考えたことは今までしてこなかったように感じます。地域にある頼れる存在として、機能することの大切さを我々は担っているのだと、とても責任感を抱き、これからの意欲になりました。
分科会報告
演劇:仙台シアターラボ
第1分科会:木町通児童館 齊藤寿一郎
第2分科会:(公財)仙台ひと・まち交流財団子ども育成課 課長 後藤敬二
第3分科会:大沢児童館・市民センター 館長 佐藤正道
第4分科会:虹の丘児童センター 渡邊由貴
参加者感想:東京都中野区北原児童館館長 千葉雅人 氏(全国児童厚生員研究協議会会長)
総 評:(一財)児童健全育成推進財団事務局長 依田秀任 氏