仙台市の児童館・児童センター

運営について

児童館子ども育成プラン2021

1 計画の基本

仙台市の「仙台市すこやか子育てプラン2020」(令和2年度から令和6年度まで)や仙台ひと・まち交流財団(以下「財団」という)の「中期経営計画2017及び重点施策」(平成29年度から令和3年度まで)、厚生労働省の「児童館ガイドライン」(平成30年10月1日発出)との整合性を図りながら、子どもの育ちと子育て支援に関わる事業に組織的・体系的に取り組みます。

計画の範囲

財団が運営する児童館・児童センター(以下「児童館」という)における子ども及び子育て家庭と、これらを取り巻く地域社会に対する事業及び財団子ども育成課が行う事業

計画の期間

令和3年度から令和4年度まで
※令和5年度以降については、令和4年度からの次期財団計画を踏まえた内容とするため、令和4年度中に計画の策定協議を行います。

事業計画

本プランは計画期間における事業の方向性を示す基本計画であり、年度ごとの事業計画については、財団子ども育成課が本プランに基づいて年度ごとの具体の方針を示し、それぞれの館が事業計画を策定します。

2 基本理念

一人ひとりの子どもが地域の中で自立して暮らす力を育みます
子どもの地域に参加する権利や自分のことを自分で決める権利を尊重しながら、一人ひとりの子どもが地域の中で自立して暮らす力を育むことができるよう、それぞれの地域の環境や子どもたちの状況に応じて、児童館ごとに特色ある運営を展開します。

【仙台市すこやか子育てプラン2020】
子どもたちがすこやかに育つまち仙台・子育てのよろこびを実感できるまち仙台

【財団中期経営計画2017】
心豊かで、健やかに安心して暮らせる社会を目指し、市民生活をサポートしていきます

【財団定款(目的)】
連帯と協調にあふれた住みよい地域社会の実現に寄与します

3 基本的な視点

子どもたちの自立する力を育み、「子どもが明るく元気に育つ環境」づくりを目指します。
  • 「自由に遊ぶ権利」「遊びに参加する権利」等、子どもの権利を尊重し、成長に応じた自立支援を行います。
  • 地域資源を活かした自然体験や社会体験、芸術体験や異年齢交流、運動遊び等の健全な遊びで、子どもたちの心と体にアプローチして、心身の健康と情操豊かな子どもの育成を図ります。
  • 快適な遊びの環境確保や充実に努め、地域が一人ひとりにとって自分らしく過ごせる居場所になるよう取組みます。
子どもたちと地域をつなぎ、「子どもと子育て家庭を応援する地域」づくりを目指します。
  • 「家庭」「地域」「学校」との連携を図りながら、地域の子どもたちのために何ができるかを共に考え、児童館が地域全体をつなぎ、“地域力・地域の子育て力の向上”を目指します。
  • 子育て支援のネットワークを充実させ、地域の実情に応じた多様な支援の仕組みを作り、子育ての不安を軽減し、子育て家庭の孤立や児童虐待、いじめ、自死等の無い地域づくりを目指します。
  • 地域における経験豊富な人材をボランティアとして活用する他、中・高校生や大学生等,次世代の人材育成に取り組みながら、地域における子どもの環境や子育て支援環境の整備に向けた活動を展開します。
視点1

家族・仲間・地域との絆を深め、「生きる力」を育みます。
乳幼児期から高校生期までのそれぞれの成長期に応じた取り組みを行い、成長過程を地域で見守り、多様な世代と交流することで、子どもたちの健全な成長を支援し、地域の子育て力の向上につなげます。地域の方々が世代を越えて交流し、つながり、児童の“育ちの場所”となるよう、自主性・社会性・創造性を育む事業を展開します。

視点2

子育て家庭に寄り添い、地域と家庭の子育て力を高め、子どもがすこやかに育つまちを実現します。
子育て環境の昨今の状況において、子どもたちの予期しない行動や子育て環境に困惑・不安を抱える保護者が増えています。また、少人数世帯で家族以外との交流が極めて少ない状況では、子どもも地域から孤立しがちになり、保護者の不安を大きくしています。一人ひとりの子どもの状況も、その家庭の状況も様々であることから、個々の家庭の状況を考慮しながら保護者の気持ち・子どもの気持ちを理解し、相互の信頼関係を築きながら、地域の各機関と連携して、「相談しやすい環境づくり」「課題解決のための仕組みづくり」「誰もが暮らしやすい地域づくり」に取り組みます。

視点3

子どもたちを地域の一員として受入れる地域づくりを目指し、今を生きる子どもたちが主体的に地域社会に参画できる地域環境をつくります。
少人数世帯が多くなっており、日常生活において親と子以外の交流の機会が極めて少なくなっています。このような状況にあって、子どもたちが自分の住む地域のあらゆる世代と交流することは、地域の一員であるという自覚と成長への欲求を高めます。そして、将来の自分の姿を描くきっかけとなります。そのためには、児童館が中心となって、地域の子育て支援に関する機関や団体等と地域情報やノウハウを共有し、連携していくことが必要不可欠です。地域とのつながりを深め、地域全体で子どもたちを守り育てる環境づくりを推進します。

視点4

遊びと生活を通した子どもの発達の増進を支援するとともに、働く保護者の子育て不安に対し必要な支援を行います。
国が示す放課後児童クラブ運営指針では、「児童の権利に関する条約の理念に基づき、子どもの最善の利益を考慮して育成支援に努めなければならない。」となっています。当財団が運営する児童館は、これまで、自分で決めて自由に遊ぶという子どもの権利を大切にしてきたところであり、放課後児童クラブにおいても保護者の気持ちや要望を受け止めながら、子どもの権利や自由を十分に尊重して、遊びを通して自主性・社会性・創造性を培うことができるよう運営します。また、多くの時間を放課後児童クラブで過ごす登録児童にとっては、児童館は自由に遊ぶ場所であるとともに、家庭を補完する生活の場所でもあります。限りある施設の中であっても、のんびり落ち着く場所や宿題をする場所等、様々な生活場面を想定した空間を工夫して設定します。その中で、集団生活であっても、お互いの自由を認め合いながら自分で決めることを学ばせて、個々の児童の自立を支援します。

視点5

子どもが安全・安心に過ごし、遊びや集団活動を通して豊かな経験と成長を育み、お互いを仲間として尊重しあい成長していくことができるよう、ソフト・ハード両面において環境整備に取り組みます。

  • 公の施設を運営する団体として、運営管理にかかる関連法令や社会規範を遵守するとともに、高い倫理観を持って行動し、地域との信頼関係を築き、住みよい地域社会の実現に貢献します。また、職員一人ひとりが公の施設の運営管理を行うという自覚を一層強く持つよう、セルフチェックや研修、内部監査を実施して倫理保持と服務規律遵守に努めます。
  • 職員一人ひとりが高い危機管理意識を持ち、事故や災害を未然に防止するために、日頃から学校や交番、町内会等の関係機関と必要な情報交換を行うことにより、事故防止、防犯、防災の体制づくりを確実に行います。また、施設の清掃や遊具等の衛生管理に十分な注意を払い、感染性疾患や食中毒の感染防止に努めます。
  • 全ての利用者が施設設備や備品、館庭等を安全に、安心して気持ちよく利用できるよう、児童福祉施設として常に良好な状態を維持した施設運営を行い、公共施設の長寿命化を基本とした維持管理に努めます。
  • 「新型コロナウイルス感染症の発生に伴う仙台市の事業及び施設等の取り扱いに係るガイドライン」に沿い、社会情勢も踏まえた上で安全に児童館を運営し、適切に児童館事業を実施します。
視点6

広域的な事業を展開して、児童館の利用促進や児童館事業の理解を深めます。

  • 日常的に児童館に出向くことが難しい子育て世帯や、児童館を利用する機会の無い幼稚園児・保育園児に児童館事業を体験してもらい、土曜日の利用や、児童クラブへの円滑な移行につなげる機会として、また広域から多くの親子が参加でき、一日を通して家族で楽しめる場を設けます。
  • 児童館や児童館職員の今日的課題について、関連機関や他団体児童館の方々と共に考え学ぶ場を児童厚生員の主体的な企画により開催し、市内・県内の児童館の他、東北各県の児童館連絡協議会や自治体所管課を通じて広く参加者を募り、全市的・全県的な児童館運営水準の向上に寄与します。

【財団中期経営計画2017】

(1)心豊かに暮らすことができる、きめ細かな地域づくり
地域住民が互いに支えあい、地域とのつながりを持ち、安心して暮らすことができるよう、地域の多様な活動を支援し、コミュニティの活性化に積極的に取り組みます。

(2)市民力を育み広げる環境づくり
市民一人ひとりが主役となり、楽しみや生きがいを実感しながら、主体的に地域の課題解決や魅力の創出に関わることができ、学びの成果を社会の中で発揮できるよう、多様な方法で支援します。

(3)未来を担う子どもたちを育む地域づくり
家庭や地域、各種団体等と連携し、未来を担う子どもたちが健やかに育ち、地域に対する理解を深め、愛着と誇りを持てるよう、豊かな発想と創造性を育む取り組みを充実します。

4 計画の体系

財団公益目的事業1「地域コミュニティの振興・支援等を行い、住みよい地域社会の実現に寄与する事業」における「2 児童の健全育成による地域コミュニティづくり支援事業」の6事業について、以下のとおりに取り組みます

主な取り組み(基本的な視点1)
(1)児童健全育成事業
  • 育児ストレスや閉塞感を抱えた保護者が増加している中、乳幼児親子が楽しく触れ合い、保護者同士が気軽に交流できる環境やきっかけ作りの場を設けます。また月齢に応じたプログラムに季節感や地域の行事等を取り入れ、地域の中で子育て・子育ちが実感できる内容とします。
  • 遊びを通して、自主性や創造性、社会性を育んでいくことができるよう、子どもへの意図した働きかけや子どもの遊びが発展するような仕掛け等、遊びの環境を整えます。知的好奇心を満たす行事、豊かな情操を養う行事、季節を味わい伝承文化に関わる行事等、多様な行事を通して子どもの興味・関心を高め、心身の健康を増進し、個々の自己実現につながるきっかけとします。遊びや文化が継承されていくよう、地域の方々の協力を得て、支援します。
  • 子どもから高齢者まで一緒に行事を楽しんだり、地域の大人が講師やボランティアで行事に携わったりするなど、地域の方々が様々な立場で地域の子どもたちと関わる機会を提供します。地域の多彩な人材や幅広い世代が関わるプログラムとすることにより、子どもたちもまた、地域の中で育っていることを実感できる機会とします。
主な取り組み(基本的な視点2)
(2)子育て家庭支援事業

①気軽に相談できる地域の子育て支援施設として、相談しやすい環境づくりを行います。

  • 児童館が身近な子育て支援機関であることを、子育て家庭だけでなく、地域全体に十分に周知します。
  • 保護者や子どものサインを見落とさず、声掛けを行い、適宜相談につなげます。相談を重ねることで、保護者との信頼関係の構築や子育て力の向上に努めます。
  • 来館・電話を問わず、相談者の気持ちに寄り添い、丁寧に訴えを受け止めます。

②個別のニーズに対応した個々の課題解決につなげます。

  • 児童館は、子育てに関する相談を最初に受け止める一次相談機関の役割を担います。就園児や就学児については、幼稚園等や学校とも充分に連携協力します。相談が複雑化している場合には、二次相談機関の区保健福祉センターや三次相談機関の児童相談所、発達相談支援センター等の専門機関と連携協力して、課題解決にあたります。
  • 子育て家庭が活用できる社会資源情報を収集し、課題に応じた情報の提供を行います。

③誰もが参加したくなる行事と活動を実践します。

  • 障害の有無に関わらず、誰もが気軽に利用し、子ども同士が交流できる児童館を目指します。
  • 親子が参加しやすい行事、興味をもつ行事を実施して、親子の触れ合い、子ども同士や親同士の交流のきっかけとします。そこから、子育てについて利用者同士が話し合い、子育て力を高める一助とします。
  • 子育て支援クラブやボランティア団体等の育成・支援を行うなど、個人でも団体でも子育て支援に参加できる環境をつくります。

④個別のニーズに対応したチームアプローチを実践し、切れ目の無い支援を行います。

  • 児童館運営委員会(地域懇談会)を年2回開催し、地域の子育て環境について情報を交換する他、個別の課題について連携できる関係づくりを行います。
  • 学校評議員会、町内会など地域の会議に参加し、児童館の子育て家庭支援事業を周知するとともに、緊密な連携がとれる関係づくりを行います。
  • 虐待、いじめ、自死等の社会的課題についても、学校や町内会、地区民生委員児童委員協議会等、地域の関係機関や関係者と課題を共有して、課題解決に取り組みます。
主な取り組み(基本的な視点3)
(3)地域交流推進事業
  • 子育て支援クラブをはじめ、子ども会育成会や町内会、地区民生委員主任児童委員等と連携しながら、子育て支援に関するネットワークの構築を図り、地域全体の児童健全育成活動を促進します。
  • 地域の自然や人材・歴史などの資源を活用して、地域ボランティア団体から協力をいただきながら、子どもたちと地域の方々が触れ合う機会を創出します。
  • 子どもたちの自発的な活動の一環として、地域の公園やコミュニティ施設、福祉施設に出向いたり、地域の団体や施設が実施する行事に参加したりして、子どもたちが地域貢献を通して自己肯定感を高めるよう支援します。
主な取り組み(基本的な視点4)
(4)放課後児童健全育成事業
  • 健康状態や登下館の確認等、児童一人ひとりを把握し、心身の健康管理と情緒の安定に努めます。
  • 日常の安定した生活の場となるよう、遊びと生活の両面に配慮して、安全・安心に過ごせる居場所を提供します。また、学習支援として、時間や場を設定して環境を整え、学習する機会を保障します。
  • 遊びの体験の中で仲間と協調する力や協働する力を養い、お互いの権利を尊重しながら、集団生活がストレスにならないように、日毎の登館人数や時間帯、学年に応じたプログラムを実施します。
  • 乳幼児から高齢者まで様々な地域の方との交流の中で、放課後児童クラブ児童の地域参加を推進します。
  • 小学1~6年生までの発達段階や生活時間の違いに留意しながら、個々の児童の権利を擁護し自立を支援します。
  • 集団生活において発生しがちな“いじめ”について、全職員が遊びや生活などのあらゆる場面で早期にその兆候に気付き、迅速に対応にあたります。また、当事者だけでなく利用する全ての児童に対しても適切にフォローを行います。
主な取り組み(基本的な視点5)
(5)児童館・児童センター運営事業
  • 法令等の遵守と指定管理に関する仕様書及び提案書の確実な履行 当財団の定める「法令遵守及び倫理に関する指針」に基づいて、児童館の運営管理にかかる関連法令や社会規範を遵守します。また、指定管理に関する仕様書及び施設ごとの提案事項を確実に履行します。
  • 個人情報保護及び情報セキュリティの徹底 取り扱う全ての個人情報について、「仙台市個人情報保護条例」及び当財団の定める「個人情報保護規程」「個人情報の取り扱いに関する基本方針」「個人情報安全管理細則」に基づき、適正な取り扱いを徹底します。また、当財団が定める「情報セキュリティポリシー」に基づき、職員一人ひとりが情報セキュリティの重要性について共通認識を持ち、その維持管理を徹底します。
  • 施設管理・安全管理の徹底 事故の発生を防止し、災害等に十分に対応できるよう、職員一人ひとりが高い危機管理意識を持つとともに、日頃から関係機関との情報交換を行います。また、施設の清掃、遊具や備品の適正な管理により、児童福祉施設として良好な環境を維持するとともに、食中毒や感染症等を防止するため、衛生管理を徹底します。
主な取り組み(基本的な視点6)
(6)大会・研究集会の開催
  • 児童館の日常の活動を発信して親子の利用促進を図るため、家族で楽しみながら児童館の様々な活動を体験できる機会として、「ひと☆まち児童館フェスタ」を開催します。
  • 児童館職員が中心となって今後の子どもを取り巻く地域環境を展望しつつ、児童館の基本に立ち返り、遊びの意味や児童館の今日的役割について、所属や地域を越えて共に学び・考える場として、「ひと☆まち児童館フォーラム」を開催します。

ページトップへ